元東京都知事の石原慎太郎が、弟、昭和の大スター、石原裕次郎について描いています。
私年代のイメージでは「太陽にほえろ」のボスでしょうか。笑
毎週金曜日の午後8時から放送。
その時間帯は絶対的な人気があった。
金曜日の八時。
それに対抗して生まれた「金八先生」です。笑
本書が刊行されたのは2013年。弟の死から31年後。著者は81歳。
都知事を辞めてから国政に復帰。引退1年くらい前の刊行です。そんな年齢と立場において、執筆できることについて単純に関心させられる。笑
二人きりの兄弟。幼少から学生時代。
父の転勤の関係で、小樽から湘南へ。
高校生でヨットをもつ兄弟。
そんなことをさせる父も母も凄い。笑
そんな中でも破天荒な弟に比べ、大人な著者。
裕次郎の兄が政治家。そんな印象より、
裕次郎は兄のおかげ。そんなエピソードが満載です。
裕次郎の初主演映画は「狂った果実」
原作・脚本、石原慎太郎。
執筆前から映画化したいという映画会社に対し、
弟が主演なら良いと了承したという。
石原プロダクションが企画した「黒部の太陽」
出演を承諾していた三船敏郎が映画会社のしがらみで
出演を拒み企画自体が無くなりそうになる。
そこで兄が、今で言うゼネコンを盾に映画会社に脅しを掛けて企画は実現する。
慎太郎と裕次郎。
ともに成功者という印象の裏で、
皮一枚でつながっているような危うさ。
そんなことを感じさせてくれる内容でありました。
二人のエピソードで印象的だったのは「女」以上に「酒」です。笑
石原裕次郎が酒豪だったのは、様々な本で読んだがすごすぎた。
兄弟で酒を飲み始め、最後は喧嘩になって弟は外で寝ると言って、
庭で寝た時があり、
弟の顔は蚊に刺されまくり腫れ、
撮影が2日中止。
飲んだ酒は2人でウイスキー8本だったという。笑
私も今でも1本くらいは飲めますが、
二人で8本とはあっぱれです。笑
早死にするのは当たり前かもしれませんね。笑
著者はさすがの文学者。
闘病から死ぬ間際まで、事細かに詳細に弟とのやり取りが描かれています。
苦しむ弟に対しこんなことを思ったと綴られていた。
本気で願ったことは、私のためにも、今、目の前でできるだけ早く弟が死ぬことだった。
闘病し苦しむ弟に対し、最善策は死ぬこと。
そんな文学者の言葉が綴られている。
そしていつも思う。『PPK最高説』
皆さん、ピンピンコロリしたいと思いませんか? 笑
14 th in February / 40 th in 2023