救急病院/石原慎太郎

冒頭に出てくる、結婚間近の幸せなカップル。

友人の結婚式で出会い付き合うことに。

お互いの愛を確かめ、男の親へ挨拶。

これから新しい家族になるものたちの団らんは、

絵に書いたような幸せに、

進んで行く予感しか感じない。

次は女の親へ挨拶することにする。

幸せへ進むはずだった女がそこで事故にあう。

ギャップが激しいためなのか、

読むのをやめようかと思うくらい、

事故の描写がひどかった。

舞台は「救急病院」で様々な患者さんの物語。

人身事故で重症を負った女性。

風邪をこじらせ死ぬ少女。

拳銃で打たれた男。

臓器移植を望む人工透析者。

脳に腫瘍が出来た男。

いくつものストーリーが繰り広げられ、次々と展開していく。

まさに救急病院の様に毎日違う患者を捌いて行く。

そんな印象です。

著者自身が脳梗塞を発症し、入院した経験を元に書いたという。

先日読んだ「『私』という男の生涯」に書いてあった、脳梗塞を発症した様子が登場する患者の様子とほぼ一致していた。笑 

入院中、小説のネタにしたかったのか、色々な患者を見に行ってよく看護婦に怒られたと言うエピソードが紹介されていました。笑

80才を過ぎて入院し、病院中を散策する。笑

「困ったじいさん像」が少し笑えますが、

勉強したのか教えてもらったのかわかりませんが、

医学の知識もふんだんに取り入れて、

それを小説にまで仕上げてしまうという。笑

石原慎太郎恐るべしですね。笑

13 th in February / 39 th in 2023