田中角栄の生涯を、石原慎太郎が一人称で描いた自伝小説です。
本も買いましたが、最初はオーディオブックで聞きました。
ナレーターの方が「だみ声」だったせいもありますが、
まるで角栄本人に直接語られているような錯覚。
それくらい、石原慎太郎の一人称で描く世界。
素晴らし過ぎた。笑
別著で読みましたが、はじめは「田中角栄正伝」というタイトルで出版しようとしていたが、幻冬舎社長、見城徹氏が「天才」にするべきと主張し変更になったと言う。
まさに角栄は「天才」だった。
そんなことを感じさせてくれる内容でありました。
幼少、生い立ちから始まり、学校生活。
「どもり」に悩んだ様子から克服。
理不尽な家族関係を糧にしながら成長して行く。
「土方」から始まる社会との繋がり。
これから始まる「のし上がり」
建設会社。政界。総理大臣。
これでもかというほどの、金権政治。
そして「ロッキード事件」
自分も政治家の中に紛れ渦中にいるような錯覚。
当事者になったのでは無いかという、
そんな想像すら体感させてくれました。笑
角栄視点から見た石原がちょいちょい登場します。
目の上のたんこぶというか、邪魔くさい。
そんな印象で角栄から見た、石原が描かれています。
この辺は少し「石原の希望的推測」が含まれているような
気がしましたが「角栄に反旗を翻していた自分」なのに、
「天才」という代名詞で角栄を語る著者。
高い次元で戦ったもの同士、味わった感情や思想など。
そんなやり取りが本書には隠れているのでは。
そんなことを考えさせられる。
そして、石原慎太郎という文豪恐るべし。笑
もっと違う本も読んでみましょうね。笑
12 th in February / 38 th in 2023