岩手県民なら知らない人はいないだろう。
原敬(1856〜1929)
新渡戸稲造(1862〜1933)
そして後藤新平(1857〜1929)
本書を読んで気づきましたが、同郷の3人。
ほぼ同年代です。
本書ではそんな関係性を知ることが出来て、なんか近代史に少し詳しくなったような錯覚を与えてくれる1冊でありました。
医師、官僚、政治家と華麗な経歴を持つ新平。
日清戦争から戻る兵士にコレラが蔓延し、
新平が指揮した検疫対策は世界が称賛するレベルだったとか。
台湾開発、満州鉄道総裁の手腕。
その経験があったからこそ、関東大震災後の東京を、
世界に誇れる年に導いたとか。
虎ノ門事件で政界を引退するも、その事件がなかったら総理大臣になっていただろう。そんな記述がありました。虎ノ門事件とは、後の昭和天皇が皇太子時代に暗殺未遂となった事件が起こり、その責任をとって内閣総辞職する。
虎ノ門事件の犯人が「大助」というのも興味深い。笑
板垣退助が襲われた時、応急処置をしたのが新平で、
そのあと板垣と話したことが、後の人生に影響を受けたとか。
台湾統治においてアヘンを専売公社という手法でコントロールしたとか。
伊藤博文をロシアに仕向けたのは新平で、暗殺され悔いているとか。
「権力抗争する前に仕事をしろ」と原敬を批判していたとか。
歴史を学ぶことは楽しいこと。
そんな風に思わせてくれる内容でありました。
本書は500ページに届くような大作です。
その分、内容が盛りだくさん過ぎ全部がうまく把握できませんでした。
なにか、違う関連書でも読んで、
また読み直したいと思う。
そして郷土の偉人をもっと知るべきだろう。
そんなことを思わせてくれる1冊でありました。
03 th in February / 29 th in 2023