本質を見抜く力―環境・食料・エネルギー / 養老孟司,竹村公太郎

2003年に出版された『バカの壁』

450万部を記録し、第二次世界大戦後の日本における歴代ベストセラー5位。

その著者、養老氏と2月3日に宮古に来る竹村公太郎氏の対談本を、Kindle Unlimitedで見つけたので、読んでみました。笑

エネルギー争奪史から始まり、温暖化に金をかけるな。

少子化はバンザイで、水問題。

農業、漁業、林業について。

様々な分野で二人の論客が語り合っています。

話題がとても豊富だったので、農業と水関連のものについて書き留めておきたいと思います。笑

皆さん「バーチャルウォーター」ってご存知ですか。笑

私は知っていました。笑

日本では水不足とかあまり無いですよね。水資源豊富な国です。海外ではよくある話なのは聞いたことありますね。でも、日本は食料自給率が低いです。果物や穀物、肉なども沢山輸入しています。衣料もだいぶありますね。

それらの食料などは、水が無いと出来ないです。

日本は海外から食料を輸入することによって、その生産に必要なぶんだけの自国の水を使わずに済んでいます。

言葉を換えると、食料の輸入は、形を変えて「水」を輸入していると考えることも出来ます。

これが「バーチャルウォーター」です。

アメリカからも、小麦、麦、大豆、トウモロコシをたくさん輸入しています。

もう1つ大きいのがお肉でしょう。スーパーでもよく見かけます。

そして本書ではアメリカの農業で多用されている「化石地下水」について言及しています。

日本では地下水といえば、地上に降った雨が地中に染み込んで地中を流れている。穴から汲んでなくなったとしても、時間が経てばまた貯まる印象です。

アメリカの農業で多く使われている「化石地下水」とは氷河期に残った氷が溶けたもので、汲んでしまうともう戻らない。石油のイメージです。笑

その地下水の水位が年に2mづつ下がっており、そしてそれは近い将来、枯渇する懸念があり、アメリカの農業は立ち行かなくなる。年々、水位も下がるので水を汲み上げるコストも増え続けるのだという。

何でも食いたいものは食えるし、本当に幸せな世の中ですが、実のところは「崖っぷちでなんとかキープ」出来ているだけで、いつ崩壊してもおかしく無いのではないか。

アメリカの農業に焦点をあてて、取り上げましたが、本の題名通り「本質を見抜く」ことについて、多方面から考えさせてくれる内容でありました。

15 th in January / 15 th in 2023