知的生産の技術 / 梅棹忠夫

知識は学校で教わるが、それらをどんな風に生かして「知的生産」に結びつけて行くのか。そんなことが書かれた本書。率直な感想は「深い、すごい、でも古い!」笑

まず本書は1969年刊行。もう、54年前の本です。私は電子書籍で読みましたが、まずこの年代の本は、よほどの名著でなければ電子書籍にされません。しかしなっているところを勘ぐると、後世に伝えたいものがあるのだろう。

事実、私は読書系、メモ系、ノート系の本は結構読んでいますが、これこそ原点にあるのでは無いか。そんなことを思わせてくれる1冊でありました。

著者が1963年に発表した「情報産業論」はセンセーションを巻き起こした。今では当たり前の言葉になった「情報産業」という言葉を初めて用いたという。※Wikiより 笑

著者自身の手帳術からカードメモへの移行。

切り抜きの規格化と整理術。

創造的読書と確認記録。

ペンからタイプライターへの移行。

手紙、日記、原稿、文章について。

印象的だったのは、手帳を「発見の手帳」と呼び、

今まで集めて得た知識の、組み合わせと順番を替えることにより知的生産になる。

手帳という媒体では、順番を替えるのに行き着いたのが、

京大式カード(※これは今でも売ってます)

タイプライターを使う過程でローマ字を多用。

石川啄木が日記をローマ字で書いていたという事実を知り、

メモや手紙もローマ字で書いていた時があったという。

私もメモを丸1日、ローマ字で書いてみましたが、後から見たら難解過ぎました。笑

ひらがな、カタカナ、漢字の3種類ある日本語って、

ホント便利なもんだなと痛感させられます。笑

そして「手書き」から「活字」に移行する過程で、漢字廃止論が日本にあったということを知らなかった。笑

韓国みたいに漢字が無くならなくて、本当に良かったと先輩たちに感謝ですね。笑

刊行された時代が時代なので、ワープロやもちろんパソコンという言葉は全く登場しません。逆に、そんな時代の文章を創造する人たちの、手法や葛藤が垣間見ることが出来て、歴史的価値すら感じました。

手法が古い分、自分の目の前にある情報や、得られた知識をどの様に自分のものにしていけば良いのか。深く考えさせてくれる内容でありました。

今日、新しい発見を1つしたとする。

それは、必ず書いておくべきだという。

明日、新しい発見を1つしたとして、それは昨日した発見と違うものだと、証明するものが無いと、同じ発見を繰り返してしまう。

それくらい、自分の頭や記憶だけで判断するのは駄目。

そんなことが書いてありました。

おっしゃるとおりです。精進します。笑

自己啓発系の原点は「人を動かす/カーネギー」に行きつくという人がいて、感心した覚えがある。笑

読書系はいまいち弱いかもしれないが、

メモ系、ノート系の原点は本書にある。

これからそう語ろうと思います。

是非、感心してください。笑

8 th in January / 8 th in 2023