先日読んだ「松田聖子の誕生/若松宗雄」は松田聖子に特化した内容だったので、他のアイドルとの関係性や時代背景など更に知りたい。そんな風に思い前書を読んだ勢いでポチってしまった。酔っ払っていたせいだと思う。笑
2007年出版の本書。2014年に出版された増補版もあったようですが、どうせポチるならそっちを買えばよかったと、酔っぱらい買物に後悔です。笑
しかし、後悔も吹っ飛ぶくらい、面白かった。笑
松田聖子と中森明菜とありますが、
だいぶ山口百恵が軸となって描かれています。
山口百恵の引退する少し前から、松田聖子の登場、トシちゃんの台頭。遅れてやって来た明菜。そしてマッチ。キョンキョン。
昔はアイドルのシングルは発売時期を調整し、ベストテンで1位になれる確立を増やしていたという。
しかしアイドル勢に切り込んできた、新しい勢力。寺尾聰、アルフィー、安全地帯、吉川晃司。そして強すぎたチェッカーズ。笑
この頃の「ザ・ベストテン」を見ていた人には、たまらない内容でしょう。笑
私のイメージでは山口百恵と松田聖子が絡んでいるイメージはなかったが、少し絡んでいる時期があった。
山口百恵は引退時21歳。2人の年齢差はたった3つだと言う。
これほど若くして引退したのに、今でも後世に語られる山口百恵すげぇーと妙に納得してしまう。笑
デビューの背景から売出し方。
楽曲制作者との組み合わせ。
歌番組全盛時代を駆け抜けたアイドルたちの記録が、
膨大な書籍からの引用を元に、詳細に語られています。
楽曲提供という点で印象的だったのは、山口百恵によく提供していた、阿木燿子、宇崎竜童という最強夫婦です。笑
山口百恵が婚約を発表したのが80年3月。
引退したのは80年10月。
その間の5月に出された曲がある。
「ロックンローン・ウィドウ」
当時、子供だった私は何も考えることもなく聞いていたが、この「ウィドウ」という意味をご存知だろうか。笑
ウィドウ:寡婦(かふ)とは、夫と死別又は離別し、再婚していない女性、夫のない独身の女性を意味する。
要するに未亡人の歌だという。
ファンからしたら三浦友和は殺したいくらい憎い。
所属会社のホリプロも、レコード会社のCBSソニーも
その気持は同じ。宇崎も同じことを思っており、
山口百恵本人に引退するという重圧を
旦那がいない未亡人の歌を歌わせることで
感じてほしい意図があったという。
それを21歳の少女は見事に歌い上げ引退の花道にした。
こんなことも含めて百恵ちゃんは伝説なんでしょうね。
この他にもとても沢山のエピソードが紹介されています。
聖子は岩崎良美が親友で、河合奈保子と柏原芳恵は仲良しと公言。オッパイが大きい二人は嫌いだったとか。
明菜はスター誕生に3回挑戦して合格。3回は女の最高で、男の最高は新沼謙治の5回だったとか。
松本隆がはっぴいえんどを歌謡界に引っ張ったとか。
聖子は石原軍団の力が欲しかったとか。
松田聖子の著書『青色のタペストリー』で初めて本音を引き出したのが、林真理子だったとか。
松田聖子に続くアイドル達はみな「聖子ちゃんカット」で後追いするが、本人はそれを避けるため自ら髪を切って差別化を図るくらい、セルフプロデュース出来ていたとか。
明菜はデビュー前からLP発売のため10曲レコーディングして、その中からどれをシングルにしたら良いか、母校の中学で校内放送で聞かせてアンケートをとったとか。
おもろすぎました。
また、関連本を読み漁ろうと思います。笑
29th in December / 375th in 2022