プロ野球解説者「無敵バッテリー」がゆく 野球の正論 / 江本孟紀,里崎智也

2019年発行の本書。

毒舌野球解説者両雄が初バッテリーを組む。

プロ野球界が抱えたヤバイ部分をとことんぶった切る。

そんな二人の対談を書籍化した本書です。

球数制限と超高校級投手をめぐる右往左往。

タイトルを獲ったはいいが「一発屋」で終わるやつ。

良い引退、悪い現役固執とか。

トライアウトで頑張る前に頑張っておくべきだったやつとか。

体をいじめていない「ボテ投手」とか。

FAで儲かった球団と失敗した球団とか。

プロ野球がなん倍も楽しく見えてくる、これぞ毒舌解説者のモーレツ対談と言った感じでしょうか。笑

とても印象的だった、

「球数制限」についてモノ申す!

大船渡高校のエースはなぜ投げなかったのか。

球数制限を語る以前に検証が必要なことはある。

高校野球の改革はどこまで必要なのか。

大船渡高校の監督を呼んで話をしたいとか、同じ高校のメンバーの親御さんたちに話を聞きたいとか、容赦ない感じはとても考えさせられる内容でありました。

なぜ投手の投球制限なのか。

マラソンの選手に走る制限はしないのか。水泳の選手に泳ぐ距離の制限はしないのか。バッターに素振り数の制限はしないのか。これほど投球制限にこだわるアメリカは、なぜこれほどトミージョーンズ手術大国なのか。

投げ込むからこそ出来る力もある。

江夏の本だっただろうか。同じようなことが書いてあった。投げ込むからこそ、培われる力が日本球界に必要なのだという。

金田正一にそれを聞きたかったと江本は説いていました。

アメリカ=近代=正解

そうでない、何かはあるのだろう。

そんなことを考えさせてくれる一冊でありました。笑

「新しい=正解」で、「古い=間違い」

そんな固定概念は少し考えるべきなのかも知れませんね。

3 th in December / 349 th in 2022