人を見抜く、人を口説く、人を活かす プロ野球スカウトの着眼点 /澤宮優

最近、野球関連の本をたくさん読みました。落合から始まり清原や桑田、最近では大谷や江川。そして必然的に興味が出てきたドラフト。何か関連したものが無いかとKindleUnlimitedで探していたらありました。スカウトの着眼点。これは楽しそうと思って手にとってみる。

ドラフト上位入団では無いのにかかわらず、記録に残るような成績を残し、スーパースターになる選手はたくさんいる。スカウトが全国津々浦々、小学生から社会人まで掘り出しものの選手がいないか探して歩く。「これだ!」と思う選手は家族の懐まで飛び込んで行く。そんな様子が描かれています。

そしてスカウトは、様々な観点で選手たちを見ているということに関しとても興味深く読むことが出来ました。

ユニフォームの着こなしとシルエットが大事とか。

高校生がピークでないかと疑うとか。

派手なパフォーマンス出来るのはセンスがあるとか。

お母さんのお尻が大きい選手はいいだとか。

美人とすれ違って振り返る感覚でさがすとか。

投手は打撃のセンスで判断するとか。

背番号には重みがあるだとか。

地元の本を読みまくり家の上座に座って語るとか。

スカウトそれぞれですが、選手の判断材料はさまざまあるものだと、とても感心させられました。

「あとがき」で、このようなことが書いてあります。

「パフォーマンスのショーにしたいのだろうが、新入社員の配属先を抽選して決める場面を映すことはないだろう。あれは見せるもんじゃない」 選手の進路の悲喜こもごもを見せものにしてしまうことに対して本人の気持ちを配慮すべきだ、という思いがあった。

毎年当たり前の様に見ている「ドラフト会議」ですが、あらためて考えると確かにそうです。これから社会に向けて旅立っていく、配属先を決める「会議」なのに、完全に世間の晒し者になっています。希望どおりは嬉しいかも知れないが、過去には涙する選手も何人もいた。本人たちの気持ちを考えると、その様子が公開されることや、直後に開催される記者会見など、もっと配慮してあげるべきなのかもしれませんね。

33 th in November / 338 th in 2022