怪物と闘ったPLのエース 壁と挫折の連続だった私の野球人生 /上重聡

野球関連を読みまくり。笑 KindleUnlimitedで見つけた「上重聡」

日本テレビのアナウンサーの著者。松坂関連はいろんな本で、ちょいちょい出ているものはありましたが、特化した物は読んでいなかったし、面白そうなので読んでみる。笑

松坂が甲子園夏の準決勝で17回の延長戦を一人で投げ続け勝利。その対戦相手はPL学園。エースナンバーをつけていたのが著者、日テレアナウンサーの上重聡。

生い立ちから、野球を始めPL学園入学。松坂との衝撃な出会い。甲子園の激闘。大学進学から完全試合達成。そして、最後に著者と松坂との対談もおさめられています。アナウンサーと野球選手という関係ですが、親友同士の思い出話をしていると感じられるくらい、2人の親密さを与えてくれる内容です。

スポーツアスリートものに、ありがちな勉強出来なくてバカだらけの世界。それと反する著者の行動が印象的です。特にPL学園時代のバカすぎる同級生。それに反して真摯に勉強する著者。プロ野球という世界に飛び込むレベルは維持出来ていたにも関わらず、アナウンサーという道を志す。プロ野球選手になるのに負けないくらい、選ばれた人がなれるものなのに、それを冷静に自分を客観的に見つめ、自分の進路を考えるあたりは本当に頭が良いんだろうなと、そんなことをとても感じさせてくれました。

高校時代に桑田2世と言われスカウトにも一目おかれていた著者。実際、1年制で投手としてユニフォームをもらえたのは、桑田依頼だったという。著者のあとは前田健太。それくらいの逸材だったようです。笑

清原と桑田の本も読みましたが、本書が一番。PL学園の練習の厳しさと大変さ。そして理不尽さを感じることができます。

過酷なランニングは「フルーチェ」のために頑張るとか。

3年生の「ドロパック」に憧れるとか。

全寮生活の1年生は「マヨネーズ禁止」で、自宅に帰った時に、一番食べたいのがマヨネーズだったエピソードとか。笑

日本中のすべて高校球児の目標は「松坂を打つこと」

春の甲子園で松坂に破れた高校は、目標が明確なのか、みんな夏の甲子園に出場したという。春と夏の間の練習で「マツザカ」はほぼ主語になっていた。「マツザカはこれでは打てない」「マツザカを打つためには」「マツザカはこう来るはず」

「松坂世代」という言葉はメディアで何回も聞く言葉でありました。松坂がいたからこそ、プロを諦めた人もたくさんいた。そして、松坂のおかげでプロで長い間、一線で活躍出来る選手もいた。

ただ耳にしたことのある言葉と思っていた「松坂世代」

プロ野球界に与えた恩恵は計り知れない。そんなことを考えさせてくれる1冊でありました。

35 th in November / 340 th in 2022