糞尿大全 糞尿変質奇談/柳内伸作


毎日自分はしているくせに「糞尿」という言葉はあまり使わない。

しかし排泄は生物としては避けられない行為。

そんな行為だからこそ様々な歴史やエピソードが存在する。

必ずみんな必要な行為なのに。

最も原始的で食生活と同様生きていくために不可欠なのに。

社会の片隅に、汚いものとして追いやられている。

戦時の糞尿、災害時の糞尿、飢餓時の糞尿、肥料・薬・食糧・まじない・武器・拷問具としての糞尿、国柄によって異なるトイレ事情や便器の種類などなど。

私もウンコたれなので、糞尿にまつわる笑い話から深刻な事件。社会に与える影響まで。大変感銘させて頂き、あっぱれです。笑

様々な話題を提供していますが、印象的なものをメモしておこうと思います。笑

「糞尿にも等級があった」

江戸では糞尿にも等級があった。上級が大名屋敷の糞尿、中級が江戸の市中にある公衆トイレの糞尿、下級が一般の町にあるトイレの糞尿、最下級が尿が多い糞尿となっている。栄養を十分に取っている階層の順番が、そのまま糞尿に表れている。

作物を作る「農業の堆肥」として利用するためには食生活が良いほど糞尿に価値があった。

私の子供のころは、普通に便所から汲み取った糞尿を畑にまいている光景や匂いがあったが、ここ何十年もそんな姿や匂いも嗅いだことが無い。

現代は下水道や浄化槽。人間の糞尿は人目に触れないように処理されてしまう。

これほどSDGsとか騒いでいる世の中です。

ぽっとん便所から糞を汲んで畑に撒いた方が良いとは言いませんが、

もっとうまい利用方法があるのでは無いか。

日本ほど古くから「糞尿をうまく利用出来て国は無い」と言う事をなにかの本で読んだことがある。

世界中から尊敬されるような「糞尿SDGs」

日本でシステムを構築できれば世界に貢献できるだろう。

そんな事を考えさせてくれる1冊でありました。笑

20th in July / 200th in 2022