青森ドロップキッカーズ/森沢明夫


少し前のオリンピックから人気になった「カーリング」

よくニュースなどでは取りあげられていますが、

ルールもよくわからない。そんな人も多いでしょう。

私もそうです。笑

本書はカーリングと出会い、成長していく少年の目線で描かれています。そのため、少年が成長する過程で得ていく知識やカーリングの面白さなど。

徐々にハマって行く様子に共感。

いままで、眼中にもなかった「カーリング」の世界をより身近に感じさせてくれることが出来ました。

主な登場人物は4人います。カーリングに長けた20代の姉妹。いじめに苦悩する男子中学生。

少し、年齢差があるのでラブロマンスにはならないのですが、

その分、距離感というか、考えの相違というか。

絶妙な距離感や、個々の悩みの相違。

それらが独特な世界観を醸し出しています。

ラジオに投稿し、それを聞いていた友人。

ありきたりの「四葉のクローバー」

そんなたわいもない、アイテムがこれほどストーリーにアクセント与えてくれるものなのか。青春キュンキュンでは無いけれど、こんな男女の距離感のあるストーリー。

大変勉強になりました。笑

カーラーは、どんなことがあってもカーリング精神に則って試合をしなければならないという。

その精神は……

カーラーは、不当に勝つなら、むしろ負けを選ぶ。

カーラーは、ルール違反をしたとき、自ら申告する。

カーラーは、思いやりを持ち、常に高潔である。

これらの精神の一つがクライマックスを非常に盛り上げてくれます。

あとがきで著者は「カーリングの小説など書けるのだろうか」そんな苦悩を記述していましたが、とてもカーリングに関して理解も深めることも出来たし「カーラー精神」に関して共感できた。

そんな1冊でありました。笑

10th in July / 190th in 2022