夕張再生市長 課題先進地で見た「人口減少ニッポン」を生き抜くヒント/鈴木直道

東京都庁職員の前歴を持つ著者。

都から夕張に派遣する職員に選ばれ、実際に訪れ働く2年間。

破綻した行政というのはこんな状態になってしまうのか。

とても外部からでは感じ取れないような描写がみられます。

夕方には切られる暖房。それからは厚着して残業。室内のコップに入った飲み物まで凍るレベルだという。

そして市民からの冷たい目。「お前らのせいで破綻した」

飲み会など、市民から目につかないよう自宅で隠れて開催していたという。

そんな中でも派遣されていた2年間。

著者は「若者、そしてよそ者」という考えの行動力のもと。

たくさんの提案や行動を繰り広げて行く。

惜しまれながら東京に戻ったところに舞い込む市長への打診。

すでに婚約者がいて、自宅もローンの手続きが完了し転居するばかりの状態だったという。

市長になって得られる報酬も都庁職員の半分以下。

そのようなところに飛び込んで来る著者の勇気に感服です。

また、それを応援し受け入れた婚約者もすごすぎます。笑

様々なエピソードは感動レベルです。

藤倉前市長は新しい若い市長を支えると市議会議員に立候補。

石原都知事から掛けられる言葉。かっこよすぎます。

それらを知れただけでも、

久しぶりに、Kindle Unlimited 以外。

お金を払って読んだ価値がありました。笑

いつ、どこがなってもおかしくない、

行政の財政破綻。

私のような行政の支出に依存しているもの。

もちろん、行政に直接携わっている人。

行政の世話になっている人など。

ほぼ全市民です。笑

知っていて損がない情報が盛りだくさんです。笑

夕張市は可愛そう。そんなイメージを持つ人が多いだろう。

しかし、自分の住んでいるところもいつなってもおかしくない「破綻」という現実。

人口は12万人から1万人に減少。

高齢化率50%近く。

市役所職員の給料は4割カット。

これから人類が立ち向かって行く問題の世界最先端を走る街。

世界中から注目されている。

他人事とは考えず、もし我が身に降り掛かって来たらどうなるのだろう。

そんな当事者意識を持って、是非、皆さんに読んでほしいと思える、

そんな1冊でありました。笑

1 th in July / 181 th in 2022