置き去りにした青春/飯塚芳樹

著者は宮古市出身。

宮古高校演劇部が舞台となっていると言って良いだろう。

そんな設定です。

演劇部に入部する新入生と先輩との、

青春キュンキュンのラブロマンスです。笑

登場する場面も、目に浮かびすぎる。笑

横山八幡宮に行ったとか、

浄土ヶ浜で二人で撮った写真を部屋に飾ったり、

初詣の前に彼女の家に行って声をかけたら

2階からちゃんちゃんこを着た彼女が顔をだし、

部屋から見えた景色が、教会の奥に八幡宮の参道が見えたとか。

いつも待ち合わせに使う宮古駅前の「らんたん」

閉伊川土手から花火大会デート。

デートでよく利用するのは市営図書館。

高校3年生の主人公と1年生の彼女の出会いから不幸な別れまで。

主人公の心の葛藤を青春という旬な世界で語られています。

先に卒業し東京に行く主人公。

時は学生運動真っ只中の最中。

彼女は「学園紛争に関わらないで自分の夢を追い続けて!」

そんな言葉に反し、学生運動に引き込まれ、

逮捕されてしまう主人公。

そして彼女との距離が遠のいて行く。

何年かぶりに宮古の地を踏む主人公。

別れた彼女の不幸な死を知ることに。

高校の演劇部活で田老から船で宮古に帰って来るだとか、

岩泉まで3時間かけて行ったとか。

もちろん新幹線も無いので東京は遠い。

コトあるごとに駅前公衆電話を探したり、

遠距離交際の基本は文通だとか、

国際劇場の一番うしろで

2人でケーキを食いながらクリスマスしたとか。

古き良き時代と、青春のキュンキュンを

感じさせてくれる1冊でありました。

宮古出身の人には是非読んでほしい。

そんな風に思う。いい本が発見できた。

そんなレベルです(笑)

68th in 2020