なぜネギ1本が1万円で売れるのか?/清水寅

著者は長崎市出身、妻の出身地である山形県天童市で新規就農。

会社設立から3年で年商1億円企業に成長させる。

かつては金融会社の敏腕セールスマンとして活躍。

系列会社の何社かの社長を務めたという。

ねぎ1本1万円というキャッチーなタイトルに目が行くが、

著者の幼少からスポーツに打ち込んでいる最中、

就職してからの「圧倒的な努力」は圧巻。

著者の人間性に引き込まれてしまいます。笑

「0%の才能と100%の努力」と説いています。

100%の努力と言っても

「ただ言われたことや従来通りのやり方をひたすらする努力」と、

「疑問や分析して改良を加える努力」とでは全然違うという。

農業というジャンルで語られていますが、

経営する上での様々な手法や、

人を雇用する上での心理。

「圧倒的努力」と「トライ&エラー」の繰り返しなど。

非常に参考になるものは多く、

大変勉強になりました。笑

そしてなぜ農業に従事したいと思う人は少ないのか?

プロ野球選手がかっこいい。

そして憧れだから、

「野球部」に入ってプロを目指す。

農業もそんな対象になるためにメディアに極力露出し、

農業の素晴らしさを伝える。

憧れを持たれるような「芸農人」を目指すという。

プロ野球選手になりたい人が「野球部」に入るように、

中学や高校にも「農業部」があればいいのに。

そんな事を説いています。

建設業も似たようなことが囁かれています。

業界をあげて取り組んでいることはたくさんありますが、

なにかヒントになることは無いのか。

そんなことも考えさせられる。

「ねぎ1本1万円」にばかり目を惹かれる本ではありますが、

「努力」と「トライ&エラー」の大切さ。

大変学びになった1冊でありました。笑

66th in 2020