時給3千円農家のつくりかた/松本直之

システムエンジニアとして3年間勤務後、自転車で日本一周。2004年、自然農法国際開発研究センターで研修。2005年 野菜セット販売農家「松本自然農園」を運営開始。そんな著者。

「農業の未来は明るい」と著者はいう。

多くのメディアによって伝えられるのは、

農業者の高齢化や就農者人口の減少、

耕作放棄地の増加など悲観的な話題ばかり。

これまで日本の農業を支えてきた団塊世代は70歳を過ぎて

次々に引退していくことで一気に若返りが進む。

残された少ない農業者が、耕作放棄地を含めた農地を集約化していくことで、生産効率は格段に高まって行く。

大規模化が進み、IoTやAIなど。

スマート農業が広がり農作業はどんどんラクになっていく。

農業者は付加価値の高い

知的労働がメインになると著者は説く。

農業は地域や環境により100件農家があればやり方は100通り。

良いものを作れば売れるというわけでは無い。

本来なら最初に決めることは何を作るのかではなく、

誰に売りたいのか。誰が欲しているのか。

直販のメリットはマージンを減らすことでは無く、顧客の要望を汲み取ることで、顧客目線の無駄をカットできることだという。

全てにおいて毎回「トライ&エラー」

常識を疑って非常識を挑戦する。

それが非常識な収入を得られる可能性がある。

などなど・・・多数。

著者の実践しているテクニックや信念を

余すところなく教えてくれています。

小さくても強い農家が増えれば地域は変わり社会は変わる。

多くの地域で農業が基幹産業だからこそ、

農家が変わることで大きな変革を起こすことができる。

簡単にたどり着ける未来ではないが、

その様な道を進んでいきたい人を後押ししてくれます。

しかし著者であればなんの商売でもうまくできるのでは?。

そんなことも思いましたが(笑)

商売に対する考えや特に「トライ&エラー」の

繰り返しなど・・・

大変勉強になる1冊でありました。

65th in 2020