ロマンとソロバン―マツダの技術と経営、その快走の秘密/宮本喜一

マツダ関連5冊目。笑

1冊目は、元会長である金井氏との対談本。
「マツダ心を燃やす逆転の経営/山中浩之」

2冊目はSKYACTIVエンジンの開発責任者。
「答えは必ずある/人見光夫」

3冊目はブランディングの専門家からみた
「マツダがBMWを超える日/山崎明」

4冊目はマツダ魂動デザインの功労者。
「デザインが日本を変える/前田育男」

5冊目はジャーナリストによる

全社的に取材をした内容をまとめられた内容です。

私は現在マツダの初代CX-5と、マツダ-6のワゴン。

どちらもディーゼルを所有しています。笑

前書の4冊にはなかったディーゼルエンジンの

開発秘話について多く語られています。

私は建設業を営んでいますので

身の回りに重機を含めトラック。

圧倒的にディーゼルが多いので、

それらと比べると、マツダのディーゼルには本当に

感銘していることがたくさんある。

まず、始動性。

ディーゼルエンジンはプラグで点火せず、

自己着火なので始動時の爆発が起きづらく、

「グロー」と呼ばれる予熱する過程が必要です。

実際、私はマツダの前にいすゞの「ビックホーン」という

SUVに乗っていましたが、

グローを確認してから始動する。

それはディーゼル乗りには当たり前の儀式でした。

過去形の様に書きましたが、

実際、今のトラックや重機。

その他のディーゼルエンジンは未だに、

「グロー」という「儀式」が必要なのは当たり前です。

しかし、マツダのディーゼルは違う。

スタートボタン一つで始動する。

その技術開発について興味深く読ませて頂き、

少しエンジンの仕組みについて詳しくなりました。笑

そして他のメーカーのディーゼルに必ずある

排出ガスを浄化するいわゆる後処理装置。

NOxを取り除く尿素SCR(選択的触媒還元)システムや

PMを浄化するためのDPFが付いていない。

自然燃焼だけで排ガスの基準をクリアしている。

私の会社にもトラックや重機など、

そのような浄化装置が付いた機械がたくさんありますが、

それらの装置のトラブルが非常に多いです。

軽油の他に、アドブルーと呼ばれる尿素を

供給する必要があるのですが、

最近、入手困難で稼働できなくなるような現場があったと言う

文章が業界に流れ品不足に陥った経緯があるなど、

本末転倒なトラブルの元となる機械が無い。

それどころか、燃料と別の経費もかからない。

自然燃焼でだけで基準をクリアしていると言う

素晴らしいエンジンです。

昔のディーゼルと言うのは加速も悪くうるさい。

それが当たり前でありましたが、

とてもトルクフルで加速もよく静か。

運転していて素晴らしいエンジンだと感じます。

違うメーカーのディーゼルと接している人間だからこそ、

マツダのSKYACTIV-Dは本当に素晴らしいと感じています。

そんな開発秘話を知ることが出来て

とても有意義な1冊でありました

乗用車やトラックに詰めるアドブルーは大した手間では無いですが

重機ともなると結構手間がかかります。

コマツやキャタなどの重機メーカーが

マツダのエンジンを乗せればいいのに。

そんなことを思わせてくれる1冊でありました。笑