蜜蜂と遠雷 / 恩田陸


直木賞と本屋大賞をダブル受賞。

幻冬舎の代表、見城徹さんの本を読むと結構な割合で推薦される本書。

そんなこともあり、読んで見る。

ピアノコンクールを舞台にした小説。

音楽をここまで文章で豊かに表現出来るものなのか。

そんな圧倒的な表現力でピアノの奏でるメロディーはもちろん、

登場するピアニスト達の人間模様を見せつけられます。

自分はコンクールに出向き、ピアノを聞いても、

多分みな同じに聞こえるかもしれない。

それどころか、興味も無いし行きたいとも思わない。笑

音楽、そしてピアノを理解し好きな人だったら、

こんな風に感激し驚嘆するのか。

本書を読めば自分がそんな人になったような、

疑似体験が出来るような錯覚を感じます。

こんなの実写化は無理だろう。

そう思っていたらAmazonPrimeで発見したので即鑑賞。笑

結構、内容が端折ってあるのは少し残念でしたが、

ピアニストの達のイメージは一致。

特に・・・栄伝亜夜

個人的には、映画を見てから原作を読むと、

文章表現の素晴らしさに感嘆するはず。

そんなふうに思う。

最後に編集者があとがきで、本が出来るまでの経緯を書いています。

8年にもわたる連載。コンクールを4年も取材。

初版15,000部で定価1,800円。

出版前の会議に提出された原価表には

利益欄にマイナス1,057万円と記載され

クビすら覚悟したと言う。

社長の見城に怒鳴られ・・・それからの大ヒット。

私は特にピアノも興味もないし、コンサートやコンクールに誘われてもきっと行かないと思う。

実際、ピアノの発表会やブラバンのコンクールの様なものは

何回か見たことがありますが、苦痛でしかなかった。

そんな記憶の私でさえ、

この本は素晴らしかった。笑